耳付きカバーの微調整

 

骨壷カバーが一旦出来上がって、昨日着せてみて、なんだかちょっと、もう少し直したい。

なんか縦にゆとりがありすぎた。

今日も着せたり脱がせたりしながら、お直し。

脱ぐよー、今日はあったかいよー。もう一回着てみてね。やっぱりもう一回。ごめんねー何度もねー。

お耳はもう少し小さい方がいいよね?その方がうちのこちゃんぽいよね。そうしようね。

縫いながら、ああ私、なんでこれ作ってるんだろ。こんな一生懸命に。うちのこに、服しっかり作ったのは1回くらいだった。

こういう作業してる時、いつも隣にいた。

「あ、なんかお仕事始めたわー」って顔して、邪魔しにくるでもなく、そばに落ち着いて座ってたよね。

「まだ終わらないの?」って、たまに膝に乗りにきたよね。

12歳になったあと、ダイニングの椅子に上り下りしやすいように、踏み台を買ったんだ。それのカバーを作って。

13歳半の時に、反対側にも買い足した。

ソファは、うちの子に合わせて高さの低いものにしてたんだけど、15歳半になって、そこにも低い台を置いたとこ。

上手に上り下りしてた。

いつか老犬らしい老犬になる日のために、少しずつ準備を始めていたんだよなあ。

おまたせ。できたよ。いい感じになった。お耳がピンと立ったね!

色がちょっと違うから、そのうちおんなじ布をみつけてまた作ろう。

 

私が洗濯してたら、干すところの足元で見上げてた。日向ぼっこしてるところから、行ったり来たりする私をチラチラ見てた。たたむ前の洗濯物に乗りにきてた。

さみしいよ。冷蔵庫の前にきてよ。いいよ、ササミ食べようかって、言わせてよ。

 

ああ。私のせい。私の責任。ごめんね。ごめん。

寝てるかな、そっとしといてあげようか。って。テンション低いねえ雨ばっかりで嫌になっちゃったね?って。くっ付いたら、可愛いねーマッサージしようか。って。歯ブラシ我慢できるようになってきたねー上手!って。

具合が悪いのかもって、なんで考えられなかったんだろう。

一応病院に行ってみようか、って、なんで思えなかったんだろう。

わたしのせいだ。うちのこは、ひとりで病院に行けないんだから。

具合が悪くなってからじゃ遅かったんだ。

ごめんね。いやだな。いやだよ。一緒にここにいないの。

 

スマホ見ていたら、置物見ていたのに、ミニピンの里子募集が検索結果に混じってて。なんとなく開いてしまってた。

レッドのこって、やっぱり少ない。

あ、19歳だって。目が見えませんが、散歩もスタスタ行きます、食欲旺盛、とても元気です、だって。

19歳でも散歩スタスタのミニピンがいるんだ。20歳のお誕生日にケーキを食べるミニピンがいるんだ。

うちのこだって、まだ目は見えていたし、足腰も丈夫、頭もしっかりしてる。うちのこだって、20歳になってもスタスタ歩けたしケーキもたべたよね。

あと5年あったら、何ができただろう。海にも何回だって行けたよね。お友達にも何回も会えた。新しい服を買って。似合う服を着てお出かけも。一緒に旅行も。お外で日向ぼっこも。おばあちゃんに会いに行ったり。新しいものを食べてみたり。毎日缶詰食べたり。

いっぱいできたよね。

他の子じゃダメなの。もうすぐ16歳になるうちのこじゃなきゃ。そのまんまのうちのこじゃなきゃ。ヨボヨボになっても一緒に過ごしたいの。老犬向けのお部屋にしていきたいの。

なんかしゃべってよ。

ササミちょうだいって言いにきてよ。